看護師は人気のある職業であるにも関わらず、離職率が高いと言われています。その背景には、「ミスが許されない」という厳しい現状があるようです。
看護師は人の命を預かる仕事で、一つのミスが患者さんに大きな影響を与えることがあります。
看護師はそのような緊張感と常に戦い、激務をこなさなければならないのです。
今回は、看護師を辞めたくなる理由や、近年看護師が置かれている「ミスが許されない現状」とはどのようなものなのかを紹介していきます。
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この記事の内容
看護師を辞めたい『ミスが許されない現状』について
看護師は、強い憧れや夢を抱いてこの職業を選択している人がと多いと思います。
努力を重ねて国家資格である看護師免許を取得したにもかかわらず、看護師を辞めるという道を選ぶ人が多数いるのはなぜなのでしょうか?
看護師を辞めたいと考える人の中には、ミスをして職場に迷惑をかけたことがきっかけになった人もいます。
せっかく選んだ看護師という職業を辞めたいとまで思うようなミスとはどのようなものなのでしょうか。
伝達ミス
看護師の仕事は高いコミュニケーション能力が必要とされます。
患者さんとその家族への対応だけではなく、同僚、そして医師をはじめとした他職種との連携を密に取ることが求められます。
伝達ミスや確認ミスなど、コミュニケーション不足は大きな失敗につながり、時として命にかかわる最悪の事態を引き起こしかねません。
薬の渡し忘れ
患者さんへの確実な投薬は、看護師の大切な役目の一つです。
患者さんの中には複数の薬を内服する人もいるので、薬を渡す際にはひとつひとつの薬を確認することが大切です。
薬にはさまざまな副作用があるので、与薬ミスは大きな医療事故に繋がります。
与薬に自信が持てない場合や、薬の種類や量がよくわからない場合などは、遠慮せずに同僚や先輩看護師、または医師に聞くことが大切です。
薬の渡し忘れなどの与薬ミスが起きないよう、細心の注意を払わなければなりません。
この業務を遂行する際にストレスを感じるという看護師も多いようです。
書類の書き間違い
仕事がら、視線は正面を見ているけど、両目は周囲の動きを見ています。頭で考えずに身体は動いています。今の職場の大きな問題点は30年勤務している看護師。かなりのミスがあり、その後始末があたし。検査依頼書の書き間違い、院長に告げ口したくないけどインシデントレベル。改善したい!
— ✳️ ぺ⃝っ⃝こ⃝ (@pecko178) July 10, 2019
看護師の業務内容は患者さんのケアだけではありません。
カルテ記録や検査依頼書の作成など、書類の作成や管理といった事務作業も数多くあり、時間がいくらあっても足りないという状況での勤務を余儀なくされている看護師も多いようです。
「事務作業をするために看護師になったんじゃない」と感じる看護師もいるでしょう。
判断ミス
在宅医療へ苦言: 要介護5で、茨城県東海村の在宅医療を利用していた父が、看護師の判断ミスで「元気です、何の心配もありません」と太鼓判を押された翌朝、容態がおかしくなり、病院に運び込まれたときにはすでに重症の肺炎で.. http://tinyurl.com/4csr7n
— OK Wave (@OKWave_unoff) October 8, 2008
看護師の数は年々増えてはいるものの、その数は未だ需要に追いついていない状況で、多くの看護師たちが体力的にも精神的にもかなりの激務を強いられていると言えます。
激務からくる疲労で集中力や判断力に支障をきたす看護師も多いようです。
もちろんあってはならないことですが、「看護師の判断ミスが原因で治療開始が遅れてしまった」などという話を耳にすると、その看護師は人手不足による過重労働の犠牲になっているのではないかと思わざるを得ません。
看護師の『ミスを起こしてしまうかも』という不安への対処法
看護師だって人間なので、ミスを完全にゼロにすることはできないでしょう。
ミスをしてしまった場合は、どのように向き合い、対処していくべきなのでしょうか。
失敗に対して言い訳をしない
自分の行動を振り返り、 言い訳をせずに失敗の原因や問題点を振り返り、ひとつひとつ対応策を考えていく必要があります。
失敗してしまったことを言い訳で固めてしまっては、事の真相を見つけることはできません。
二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、そして同僚が自分と同じ失敗をしないためにも、前向きに対処していくことが大切です。
失敗と向き合う勇気を持とう
自らの失敗を認めることは、なかなか勇気のいることです。しかし失敗を認めなければ前進できません。
失敗と向き合うことが、必ずあなたを大きく成長させてくれるはずです。
失敗の中にある課題を見つける
ミスをしたら、「今度から気をつけよう」だけで済ませるのではなく、失敗の中にある課題を見つけるようにしましょう。
何が原因で起こったミスなのか、そして再発を防ぐためには具体的にどういった対策を練るべきなのかを、一つ一つ丁寧に見つめて改善を図る必要があります。
失敗から学べることは多いものです。
同僚や先輩に相談する
経験が豊富な先輩や、仕事上の悩みなどを共有できる同僚に相談してみることも、失敗と向き合う良い方法です。
仕事にミスは付き物|看護師であっても一緒
看護師という職業柄、「ミスを犯したら人命を落としかねない」というプレッシャーを常に感じながら仕事をしているという人も多いのではないでしょうか?
しかし、世の中には完璧な人間はいませんし、最初は誰もが初心者です。
どんな仕事でも経験を重ねるうちに、ミスを犯さないための予防策を見つけ、ミスをする回数が減っていくものです。
世界のホンダを創設した本田宗一郎氏は、「失敗が人間を成長させると私は考えている」という名言を残しました。
真剣に仕事に取り組んでいるからこそ、ミスを重く受け止めるのです。失敗を後悔するのではなく、その失敗をどのように受け止め、行動するかが大切です。
どうしてもミスが怖くて看護師を辞めたくなった場合
「一度辞めたいと思ったら後戻りできない」という人も多いと思います。
ただ、看護師を辞めたことを後悔しないために、退職届を提出する前に一度次のような行動をしてみてください。
経験豊富な先輩や同僚に自分の気持ちを素直に話してみる
まずは先輩や同僚に自分の気持ちを素直に話してみることをお勧めします。
同じような経験をして、あなたと同じように悩んだという先輩や同僚があなたの周りにいるかもしれません。まずは話すことで胸のつかえを取ることを心がけてみましょう。
看護師になった理由を思い出してみる
看護師になると決めた時、あなたはどのような事を考えましたか。
「人の役に立ちたい」と、看護師になった自分を想像しながら、ひたすら努力をして晴れて看護師になったのではないでしょうか?
どうしても辞めたくなったら、自分がなぜ看護師になりたいと思ったのかを考えてみましょう。
休みをきちんと取る
看護師が「休みが取れない」という時は、有給休暇が取れないということだけではなく、次の勤務に入るまでの休息が十分に取れないというケースもあります。
休みをきちんと取ることができなければ、心身ともにどんどん疲弊していき、パフォーマンス低下をもたらすのも無理のないことです。
思い切ってまとまった休みを取って心身共にリフレッシュしてから今後について考えてみてはいかがでしょうか?
思い切って新しい職場を探してみる
休養も取れないし、ストレスが溜まる一方で改善策が見出せないという場合には、新しい職場を探してみてもいいでしょう。
今勤務している状況が辛いから看護師を辞めたいと考えているようなら、看護師という職業を辞めてしまう前に、今とは違う環境でこれまでの看護師としての経験を生かして働くという選択肢があります。
それでもやはり看護師としては働けないということであれば、辞めるという選択をしても後悔せずに済むのではないでしょうか。
看護師から他職種に転職するならおすすめの職場
では、転職を決意した看護師はどんな他職種に転職をしているのでしょうか?
看護師の転職先は様々ですが、看護師は病院以外の場所でも需要が高く、看護師資格を生かした転職をする人が多くいます。
一般企業
一般企業で働く看護師を産業看護師、産業保健師と呼びます。
産業看護師の仕事の内容としては、企業の医務室での常勤、治験業務全般のサポートをする治験コーディネーター、治験の準備やモニタリングをする臨床開発モニター、医療機器メーカーの営業をサポートするクリニカルスペシャリストなどがあります。
保育園、大学など教育機関
子どもが好きなら保育園で働くことをおすすめします。保育士資格がなくても、保育園で働くことは可能です。
子どものケガの応急処置、子どもの健康をサポートする業務のほか、保育士の仕事をサポートすることもあります。
児童養護施設で働く場合は、遅番があるなど勤務が不規則になりますが、他は日勤で土日休みのことが多く、規則的な生活を送ることができるでしょう。
介護業界|デイサービスや老人ホーム
介護業界では看護師資格を生かせる場所がたくさんあります。
介護業界にいくと、医療行為というより、介護としての仕事が多くなります。医療ミスというプレッシャーは少なくなるようです。
勤務雇用は、派遣や契約というところも多く、自分に合わせた働き方ができるでしょう。
健診センター
健診センターは健康診断をする機関で、採血のスピードが求められる職場です。事務作業が多いことも、健診センターの特徴の一つ。
日勤勤務で残業をすることもほとんどなく、プライベートを充実させた働き方ができるでしょう。
献血ルーム
献血ルームは日本赤十字社が運営している施設で、集めた血液で血液製剤をつくり医療機関に届ける事業を展開しています。
夜勤などがないため、規則的な生活を送ることができます。日本赤十字社の社員になるため、安定した給料が入り福利厚生もしっかりしているようです。
育児休暇も取りやすいと言われています。
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まとめ
今回は、看護師を辞めたい理由と、ミスが許されない現状について説明しました。
看護師の仕事はミスが許されないというのは事実でしょう。しかし、ミスをしない人などこの世に存在しません。
いかにしてミスを最小限に食い止めるか、そしてミスをしたことをいつまでも引きずらずに、ミスしたことをバネにして看護師として成長していくのかがポイントです。
そして、一つのミスも許されず、激しく非難されるような職場であれば、他の医療機関に移ることも選択肢の一つです。ミスを受け入れ、その後の防止策や気持ちの立て直し方を一緒に考えてくれる職場は必ず存在します。
時には人の力を借りて、失敗を糧にできれば、あなたは最強の看護師に一歩近づけることでしょう。