看護師としてやりがいを感じる瞬間とは【現役の看護師さんに聞いてみた】

 

30年後にまた来ます!
後閑愛実

入院していたお母さんが亡くなったあと、帰り際に息子さんが言ってくれました。

とても嬉しく心に残っている言葉です。

人は必ず死にます。

その死の成り立ちが痛ましければ痛ましいほど、本人もツラいし遺されたものもその後の人生に影を残すことになります。

私たち看護師がすべきことは、その死の成り立ちを穏やかなものにすることです。

お母さんは亡くなりました。

それでも息子さんは「これでよかったのだ」と納得されていたのです。

あの病院はお母さんが死んだ縁起の悪いところだ」となったら、息子さんはいざというときに病院を頼れなくなってしまいます。

でも「あんな最期いいよね」と思えたのなら、いざというときは病院を頼れば大丈夫だと、それまで生きることに専念できるのではないでしょうか。

私はそれこそが、看護師としてのやりがいだと思っています。

 

キャリズム看護師転職
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後閑愛実(ごかん めぐみ)
正看護師。BLS及びACLSインストラクター。
看取りコミュニケーター
2002年群馬パース看護短期大学卒業、2003年より看護師として病院勤務を開始する。以来1000人以上の患者と関わり、看取ってきた患者から学んだことを生かして「最期まで笑顔で生ききる生き方をサポートしたい」と2013年より看取りコミュニケーション講師として研修や講演活動を開始。

現在は病院に非常勤の看護師として勤務しながら、研修、講演、執筆などを行っている。雑誌「月刊ナーシング」で連載中『まんがでわかるはじめての看取りケア』の原作執筆を担当。 著書に『後悔しない死の迎え方(ダイヤモンド社)』がある。
なかもと ゆき
多摩美術大学卒業後、フリーの作家・デザイナー・イラストレーターとして活動。デザインフェスタはじめ様々な展示に多数出店。2018年「月刊ナーシング」で『まんがでわかるはじめての看取りケア』の連載を開始。イラストを担当。『後悔しない死の迎え方(後閑愛実著)』では、挿絵を担当。

現在YouTubeで「ゆき味アートチャンネル」を開設、ものつくりの楽しさを発信している。

 

現役看護師、後閑愛実のやりがい

看護師でよかった!やりがいを感じる3つこと

  1. 尊い仕事
  2. より不幸にすることを食い止めることができる
  3. 人との関わり

1:尊い仕事

その人(患者さん)にとって、人生のツラい時期に寄り添えることができるというのはとても尊い仕事だと思います。

人の生き死にに関わる仕事は正直とってもしんどいです。

でも、看護ケアには限界がなく、人が死ぬ前のいわば人生でもっともしんどくてツラい時期にも寄り添えることができるのです。

誰にでもできるというような仕事ではありません。

それはとても尊く、誇りを持っていいのではないでしょうか。

2:より不幸にすることを食い止めることができる

看護師として関わる人は病気や怪我でほっといたらより不幸になってしまうわけですが、それを食い止めることができるのが医療者なのだと思います。

直接幸せにすることはできませんが、その後の幸せにはつなげることができます。

その死の成り立ちが痛ましければ、遺されたものも深く傷つき、病気になったり自殺してしまう人だっているのです。

看護師としての関わりで、そういう不幸を少しでも減らすことができると思っています。

3:人との関わり

この仕事をしていなければ出会えなかったたくさんの人がいます。

そういう人との関わりは、自分の人生を豊かにもしてくれます。

出産、育児、手術、親の介護、死にゆく過程、いずれ自分たちが経験することでもあったりして、患者さんやご家族、医療者との関わりの中で学ぶ知識は、自分の人生にも役立ちます。

まあこれは私の価値観でして、あなたが同じように思うとは限りません。

参考にメンタリストDaiGoが解説している動画を紹介します。

やりがい感じる仕事の3つの条件とは

ざっくり要約すると3つの条件とは、「努力」「成長」「自由」です。

振り返ってみると、活動的に行動して努力しているし、患者さんやご家族だけでなく他のスタッフにも感謝されたり自分の成長を感じられているし、自分の裁量で仕事を進めることも多少はできるので、私はやりがいもって仕事が続けられているのです。

あなたも仕事の中から、やりがいを感じられるような条件をみたしているかという視点でチェックしてみましょう。

 

看護師のやりがいはあっても辞めたいと感じている場合の対処法

勤務時間が長く過労を感じている場合

看護師の仕事は人相手なので、常に一定というわけではありません。

今は忙しいかもしれませんが、少し余裕のある時もあったりしませんか?

これは一時的なものだと思えれば、乗り切れるかもしれません。それでもずーっと忙しいようであれば、業務改善できないか考えて提案してみましょう

最初はいい案なんて思いつきなどしません。でも数は質に転化して、アイデアを探る視点が身についていきます。のちのちにも活かせるあなたの武器になりますよ。

そうは言っても、心の余裕は時間の余裕でもあります。

心と身体に余裕がなければ休もう!

過労が常に取れないくらい身体にも心にも余裕がないときは、一度休むのもありです。そんなときは「私が休んだら、周りに迷惑がかかる…」なんて気にしている場合ではありません。

看護師の代わりは他にもいますが、あなたの代わりは他にはいないのです。

人は迷惑を掛け合って生きています。

迷惑はかけてもいいし、迷惑をかけられたらお互い様と思って引き受ける度量が誰にも必要です。

私も心療内科で診断書書いてもらって1ヶ月休んだことが2回あります。

時間の余裕が生まれると、心にも余裕が生まれます。その中で、冷静になって今後のことを考えてみましょう。

思うように休暇が取れない場合

私はパートなので、思うように休暇が取れています。

だからパートになれなんて安易なことはいいませんが、働き方を変えるというのも手段のひとつであると思うんです。

何を自分の人生で優先させたいか、それによって変わってくると思います。

働き方はひとつではない。

師長にプレゼンをしてみよう!

あとは師長にプレゼンしてみてはどうでしょうか。

プレゼンスキルも看護師には必要なことです。

医師や患者さん、ご家族にもいつもプレゼンしてるでしょ?

プレゼンを成功させるコツは、理由もさることながら相手にとっての嬉しいことをメッセージに込めること。

ここはがんばるから、ここだけは休みをください!」でも伝わると思います。

病院でのミスや人間関係に悩んでいる場合

どんなに注意していても、ミスはありますよね。

ただ医療現場でのミスは、命に関わります。極力避けなければなりません。

医療現場は一人で働いているわけではなく、チームで働いています。

ミスに誰も気づけなかったということはなく、「誰かいつかミスしそう…」「これはなんか怪しくない?」なんて誰かがミスをおかす前、あるいはミスしていることにまわりの誰かが気づいていたという研究もあります。

それでも防げないのは、「こんなこといったら怒られるかも…」「もしかしたら私の勘違いかもしれない…」と躊躇して、「言えなかった」からというコミュニケーションエラーが原因のことも多いものです。

普段から、「あれ?なんかおかしくない?」というのをたとえ勘違いであったとしても、お互いに言い合えるような職場であってほしいと願います。

話しやすい雰囲気を作っておく必要はある

「そんなこともわかんないの!」「違うわよ!それでいいのよ!」と威圧的な態度を取っていると、いつか自分がミスをおかしそうになったときに誰も注意してくれずミスをおかすことになります。

自分で自分の首を絞めることになります。

まずはあなたが「なんでも言ってね」と話しやすい雰囲気を作っておく必要があるでしょう。

人間関係に悩んでいる場合の記事は以前書きました。ぜひそちらをご覧ください

看護師が人間関係などで悩んだ場合に試してほしい3つの対処法

 

これから後輩看護師の指導をすることになって不安な場合

相手の行動のどこに問題があるかを考える

相手の行動がなぜうまくいかないのかを考えるときは、3つの視点からどこに問題があるかを考えます

①:知識
知らないとできません。正しい情報を伝えることが必要です。


②:技術
やり方は知っているけど技術や操作の問題。経験させ、その場で技術を修正させていくことが必要です。


③:態度
やり方は知っているし、やろうとすればできる。でも一緒にやる相手や現場の環境によってうまくできない、納得いっていないなど、様々な原因で行動できない、あるいはしないこと。

相手がどこの問題があってできないのかを考えます。知識がないなら知識を教え、技術がないならやらせてみせる

態度に問題がある場合は何が原因で、行動するにはどうしたらいいかを“振り返り”と“議論”を通じ、自律的な思考と将来の行動変容を促していきましょう

問題が複数の場合もあるし、すべては繋がってもいます。言葉にすると、なお理解は深まっていきます。

自分がわかっていないと教えられない

そもそも教える自分がわかっていないと教えられません

人に教えるためには、まず自分の知識や技術は正しいか、情報を収集したり観察を強化する必要があるため、おのずと理解が深まっていきます。

相手に教えた結果、自分の教え方のどこがよくてどこが悪かったかの評価もできます。

結果、自分自身が最も学び成長できることになります

ですから、企業では勉強会をするときに、一番そのことに関してできない人に講師を頼むなんてところもあるそうです。

人に教えるために、より学ぶからです。教えることをめんどくさがる人は、自分の成長を止めてしまっています。

教えることこそ、最大の学び

新しい仲間が増えることは喜ばしいことです。

自分の看護を見直してみましょう。教えることこそ、最大の学びになります。

最初はお互いに慣れず、苦労も多いかと思いますが、お互いに成長できるチャンスです。

もし給料の低さでやりがいを失っているなら…

病院によっては、評価基準があります。普段の勤務以外にも、学会で発表をしているとか、職場のプロジェクトに取り組んでいるとか、自分の病院の評価基準が何かを確認してみましょう。

ただ看護師としてのスキルだけでは、大幅な収入アップはできないと思います。

看護師が給料を上げるためにできることは?

収入を増やすということは、信用の面積を大きくすること

これは芸人の西野亮廣さんが提言していることです。

キミは「1/100万×1/100」の人材となる。
複数の職業を掛け持つ「複業家」になることで、お金を生む力がグンと膨れ上がるわけだ。

もちろん、こんなに簡単には事は進まない。
クレジットを拡大していく途中で躓くこともあると思う。
ただ、この話から学べることは一つ。
収入を増やすということは、クレジット……つまり『信用の面積』を大きくするということだ。

引用元:収入を増やす為に、効率的に自分の価値を上げる方法

ざっくり言うと、3つの分野のキャリアを5年から10年(約1万時間)ずつ経験して希少性を上げれば、収入は上がるということです。

なるほど!と感心してしまう内容です。

ちなみにこの話のおおもとは、教育革命実践家 藤原和博さんの「100万人に1人」の存在になる方法です。

こちらもぜひご覧ください。

ダイヤモンド・オンライン

AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。本連載では、藤原和博氏の著書『…

私の信用の面積は、「看護師」「講師」「物書き」の掛け合わせ

看護師としてそれほど優秀でもないし、役職があるわけでもありません。それでも17年の経歴はあり、そこそこの価値はあります

  • 講師としても、私より優秀な講師はたくさんいます。
  • それを本業としている人たちには敵いません。そこそこです。
  • 物書きとしても、本を出している人はたくさんいます。
  • 文才にすぐれているわけでもありません。そこそこです。

でも、現役看護師しながら全国講演をして著書も出しているという人は、それほど多くありません。

掛け算によって希少性は上がるのです。

あなたも100人に1人の存在になれる

あなたも看護師として5年から10年のキャリアを経験すれば、100人に1人の存在にはなれます。

でも100人に1人ってそれほど希少というわけでもなく、結構な人数います。

だからといって、あの5年10年をひとつのキャリアにかけ続けても、大した伸び率にはならずそんな人たくさんいるのです。

あなたの希少性をあげるために、看護師以外のキャリアを経験しましょう。

別に副業しろとかいうわけではなく、趣味やあなたが得意で好きなことで構いません。

PCスキルでもいいし、英語でもいい。

それらの掛け算で、あなたの希少性は上がり、収入アップにつながります。

転職すると年収は上がるの?

病院によっては、転職するときに「前の病院ではこれくらいもらっていた、自分にはこれだけのことができる能力があるから、いくらもらいたい」と交渉することは可能です。

看護師の能力は売り上げのように客観的に数値化できるものではないので、年齢や学歴、経験年数で基本給を決めているところもあります。

病院に入職する前に確認しておく必要があるでしょう。

看護師の転職先は病院だけではありません

看護師のスキルを生かした転職をすることも可能です。

私みたいに講師とか、物書きとか。

看護師の目線から仕事の効率化だけでなく患者さんが過ごしやすい病院の設計をする建築家や、看護師YouTuberもいますよね。

働き方は様々で、自分にあった働き方を探すのがいいのではないでしょうか。

病院もつぶれる時代

私も勤め先の病院がつぶれたことがあります。

給料支払いがどんどん遅くなり、最後の3ヶ月は支払われもしませんでした(泣)
(2年後くらいに国から8割いただきましたが…)

2ヶ月滞納された時点で職員全員が辞表を出し、その1ヶ月後に全員辞めました。

それまで仲悪かった職員たちも、あのときの団結力はすごかった!

でも入院中だった5人の患者さんだけが1ヶ月の間にどうしても転院先が決まらず数人の看護師がボランティアで患者さんが転院するまで残ったのです。

ドラマのような本当にあった話です。

だから病院に勤めていれば安心というわけでもないし、転職先は病院だけと思っているなら視野が狭すぎでもったいないです。

あなたにあった働き方を考えてみましょう。

大人気!企業で働く看護師とは?転職に成功した先輩看護師に直接取材!

実践的なスキルを取得することでキャリアの幅が広がる

とはいえ看護師のキャリアの幅を広げる必要もあるので、ここで2つ実勢的なスキルが身につく講習を紹介しておきます

①BLS:一次救命処置

BLS(一次救命処置:Basic Life Support)プロバイダーコースは、1日のコースで、成人への心肺蘇生法だけでなく、気道異物の除去、AED(自動体外式除細動器)での除細動を学びます。また、幼児や乳児の小児への心肺蘇生法と気道異物の除去について学びます。

【現役看護師に聞く】看護師のスキルアップに役立つ資格・講習【BLS編】

②PEARS:小児救急(評価・認識・病態安定化)

看護師向けの生命危機アセスメント強化プログラム「PEARS(ペアーズ)・プロバイダーコース」です。

生命危機状態にある実際の小児(患児)の動画を見て、観察・評価の訓練を行い、心停止に陥らせないためのバイタルサインのアセスメント手法を学びます。

動画で見る症例で示されるのは小児(患児)ですが、アセスメント手法は成人患者を含め、すべての患者さん、傷病者に使える普遍的なテクニックです。

看護師のスキルアップに役立つ講習・資格をご紹介【PEARS編】

 

まとめ

後閑愛実
働き方はひとつではありません。そして、「やりがいがある仕事」を探すのではなく、「仕事の中からやりがいを探す」ことが大事です。あなたの仕事にやりがいが見つかることを願っています。

 

後閑愛実(ごかん・めぐみ)
正看護師。BLS及びACLSインストラクター。
看取りコミュニケーター2002年群馬パース看護短期大学卒業、2003年より看護師として病院勤務を開始する。以来1000人以上の患者と関わり、看取ってきた患者から学んだことを生かして「最期まで笑顔で生ききる生き方をサポートしたい」と2013年より看取りコミュニケーション講師として研修や講演活動を開始。現在は病院に非常勤の看護師として勤務しながら、研修、講演、執筆などを行っている。雑誌「月刊ナーシング」で連載中『まんがでわかるはじめての看取りケア』の原作執筆を担当。

著書に『後悔しない死の迎え方』(ダイヤモンド社)がある。

後閑愛実WEBサイト
https://www.megumitori.com/

イラスト:なかもと ゆき
多摩美術大学卒業後、フリーの作家・デザイナー・イラストレーターとして活動。

デザインフェスタはじめ様々な展示に多数出店。 2018年「月刊ナーシング」で『まんがでわかるはじめての看取りケア』の連載を開始。イラストを担当。

『後悔しない死の迎え方(後閑愛実著)』では、挿絵を担当。 現在YouTubeで「ゆき味アートチャンネル」を開設、ものつくりの楽しさを発信している。

チャンネルURL:https://www.youtube.com/

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